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H30-2企業法 問題6 株券発行会社

前提①: 会社法214条において、株券は不発行が原則であることが示されています。

「株式会社は、その発行する株式(種類発行株式会社においては、全部の種類の株式)に関る株券を発行する旨を定款で定めることができる。」

*一部の種類株式だけ株券を発行することはできません。

 

前提②: 会社法131条において、株券の占有者は株式に関する権利を持ち、並びに株式の取得者は善意無重過失のとき株式に関する権利を取得する、ことが定められています。

 

「株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定する。
株券の交付を受けた者は、当該株券に係る株式についての権利を取得する。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。」

 

ア: 株主名簿記載事項を記載した書面及び電磁的記録の請求を、株券発行会社の株主は行うことができません。(会社法122条) 株券を占有していることにより、株主であることを証明できるため上記の請求権を株券発行会社の株主に認める必要はないのです。

アは誤りの記述となります。

 

イ: 会社法189条に単元未満株主についての規定があります。

○定款を定めるまでもなく単元未満株主の権利を制限できる事項

・単元未満株主はその有する単元未満株について株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することができない

 

○定款で定めることによって単元未満株主の権利(一部又は全部)を制限できる事項

①全部取得条項付種類株式の取得対価を受けとる権利

②取得条項付株式の取得対価を受けとる権利

③株式無償割り当てを受ける権利

④単元未満株式の買い取りを会社に請求する権利

⑤残余財産の分配を受ける権利

法務省令で定める権利

以上に加え、株券発行会社は単元未満株式に関わる株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができます。

イは正しい記述です。

 

ウ: 会社法130条に対抗要件について定めがあります。株券不発行会社(原則)の場合、株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができませんが、株券発行会社については、株券の占有により第三者に対抗することができます(株式会社に対抗するためには株主名簿の記載変更が必要です)。

ウは誤りの記述となります。

 

エ: 会社法147条に株式の質入れについて定めがあります。

①株式の質入れは、その質権者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができません。
②株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができません。

エは正しい記述となります。

株券発行会社の場合、略式質と登録質の選択ができますが、株券不発行会社の場合、登録質のみが法律による後ろ盾を得ているのです。

 

↓こちらのブログに質についての実務の話が出ています。面白いですね。

略式質?! - 司法書士のオシゴト